マイナカードと健康保険証

「マイナンバーカードを発行すると2万円のポイントが付いてくる!」

PayPayカードのキャンペーンと全く同じ手法で、日本の政府デジタル化の虎の子のマイナンバーカードを大安売りしたと思えば、不祥事の頻発でマイナカードの返納を誘発しているお粗末な事態です。

キャンペーンの2万円ポイントは返納しても返さなくても良いのでしょうか? 至る所に痛いところが見受けられる政府のデジタル政策です。

ところで、マイナンバーカードの統合される健康保険証ですが、どうして健康保険証のような利用頻度が高いものを最初に選んでしまったのでしょうか?

そもそも健康保険証を発行しているのは、各健康保険組合や共済組合、あるいは協会健保と行った組織で、全国で統一されているわけではありません。

また、健康保険独自のサービス、例えばスポーツクラブの優待であったり、テーマパークや宿泊施設、飲食店の優待サービスなど、特定の健康保険証がIDとなるサービスがたくさんあります。

それらを特徴のないマイナンバーカードに統合すると、それらの健康保険付帯のサービスの提供に支障し、別途健康保険の被保険者や扶養家族であることの証明書を発行する必要が生じます。

おそらく多くの健康保険組合は独自の福利厚生を行っていますから、かなりの数の健康保険証は独特のサービスを提供するためのID機能を併せ持っているものと思われます。

それに合わせてその健康保険証を所持する人は、クレジットカードにゴールドカードやプラチナカードがあるように、その健康保険証を所持することにステータスや安心を感じているのではないでしょうか?

クレジットカードに色々な種類とデザインと機能があるように、健康保険証にも様々なデザインや機能があります。それを十把一絡げにマイナンバーカードに統合しても良いのでしょうか?

健康保険証をマイナンバーカードに統合したとしても、健康保険の独自サービスを提供するために独自のカードが発行されるでしょう。

今まで通りの使いやすさに加え、不祥事が多くセキュリティ上の危険性が高いマイナンバーカードよりも信頼性が高いので、結局これまで通り医療機関でも新規に発行された独自の健康保険証が使われ続けるのではないでしょうか?

個人の命綱のようなマイナンバーカードに、頻繁に窓口に提出して色々な人の手に渡る可能性が高い健康保険証を統合するということに無理があったと思います。

マイナンバーカードのシステム自体、かなりの修正がなければ信頼性を回復することは無理でしょうから、バージョンアップする次世代のマイナンバーカードまでじっくりシステムを設計し直して、頑強で安心して任せられる世界に誇れるデジタル化を推進していただきたいと思います。

ふるさと納税の5割ルール

ふるさと納税の宣伝サイトが、ふるさと納税の金額の5割以上を税金とするルールに違反して、手数料などを別途徴収していたらしいです。

5割ルールが曖昧な定義だったのが原因と言うことらしいですが、あまり5割を厳密に管理すると、「そもそも2000円は誰が取るのよ?」という疑問がどこかに向かっていくのを恐れているのではないかと思ったりもします。

本来、ふるさと納税の案内サイトはあくまで案内に徹するべきなのですが、今や百貨店のお中元サイトよりもどう見てもお金がかかっているでしょう。

さらに、テレビCMの頻度が桁違いに多くほぼ一年中やっていますから、そのコストはかなり膨れ上がっているのではないでしょうか?

ですから、そのコストを充填しようとして、更にふるさと納税の寄付金からくすねようとするのは当然の成り行きで、最初からふるさと納税の案内はもっと慎ましやかに行うことを基本とするべきだったのです。

この5割以外の手数料をふるさと納税サイトが請求していると言うことは、私たちが寄付した金額から差し引かれるわけですから、2000円を引いた半額分の特産品が届くと期待しても、5割に満たない金額の商品しか届かないことになります。

これは住民税からふるさと納税サイトが手数料を取っているのではなくて、私たちの寄付金を横から勝手に差し引いているのですから、国民を欺く行為と言えるでしょう。

そもそもふるさと納税のサイトのコストやテレビCMのコストは、ふるさと納税の手数料、私たちから見て2000円の内訳として計上されるべきではないでしょうか?

何も派手にテレビでCMを流す必要などなく、あくまで寄付の方法の1つとしてふるさと納税があるのですから、現状のふるさと納税サイトの宣伝行為は過剰だと思います。

ところで、最初から2000円は差し引かれて寄付されるのですが、その2000円はいったい何に使われているのでしょうか?

本来、ふるさと納税に関わる経費はその中で賄うべきだと思うのですが、ここでも無駄な金が流れているような雰囲気があります。

ふるさと納税を多くの人が利用するようになってきましたから、一度ふるさと納税のお金の流れを整理して見直すところは集成するべき時が、来ているのではないでしょうか?