大阪で開催される万博のパビリオン建設が遅れている対策として、協会がプレハブによる建物を建売形式で用意して、開催時期に間に合わせようというアイディアが出ているそうです。
プレハブや建売と言うとなんとなく安っぽいイメージがありますが、工期を短縮したり建築費を抑えるには確実な方法かもしれません。
それに比べると、1970年の大阪万博のパビリオンは見ごたえがありました。
参加した国々や企業がパビリオンにメッセージ性を持たせて、それ自体が展示物としての意味がありました。
- 大きなテントドームのアメリカ館
- そそり立つ赤い塔のソ連館
- 桜の花びらをかたどった日本館
- 丸太を縦に並べたブリティッシュコロンビア州館
- キューブを組み合わせて未来の住宅を試みたタカラビューティリオン館
- 一本支柱で耐震性を高めたクボタ館
- エアチューブを組み合わせて耐風性を実証した富士グループ館
- 最初から解体時のダイナマイトの設置を考慮した住友童話館(?)
などなど、近未来的な建築物が目白押しで、パビリオンを見るだけでワクワクしたものです。
その後の国内開催博覧会は、つくば科学博や大阪花博、愛知の愛・地球博などのパビリオンは、かなり小規模になってしまい、意匠的には変わったものがあったとしても、建築物としての価値はあまりなかったように思います。
今回プレハブパビリオンと聞くだけで、陳腐な建物が並んでいる様子を想像してしまいます。
せっかく未来のショーケースになる万博ですから、プレハブ建築であってもプレハブに見えない、素晴らしい外観と豊かな空間を短工期と低コストで実現して、日本の建築技術を世界に見せてもらいたいものです。