最近は、事故のたびにドライブレコーダーの記録が精査され、事故の原因を探ったり他の事故の報道に画像が使用されることが増えて、ドライブレコーダーが必須アイテムになった感があります。
それほど記録を取ることに意味があるなら、とっくに自動車メーカーが標準仕様として装備していても不思議ではありませんが、今だに後付のオプションになっている場合が多いようです。
ドライブレコーダーと聞けば、同じ響きのものにフライトレコーダーがあります。
飛行機の各機器の状況や速度、高度や無線通信の会話を記録していて、墜落事故が起こればまずフライトレコーダーを回収して解析することが常になっています。
航空機事故は、自然環境によって起こることもありますが、航空機自体の欠陥や操縦士のミスが引き起こすことが多いので、フライトレコーダーから事故の原因を調査した場合、航空機メーカーの責任がはっきりするケースがあります。
現在のドライブレコーダーは、映像と音声だけを記録するに過ぎませんが、車に標準装備するとすれば、当然自動車の状態、例えばエンジン回転数やブレーキペダルの踏み圧、ハンドルの切り角やランプの点灯状態など、運転状況を記録することが求められるでしょう。
今よりコストアップする要因になりますし、自動車の設計ミスを如実に示す兆候も記録されることもあるでしょう。
長らくオートマティックの操作ミスと言われていた始動直後の急激なバック事故や、アクセルとブレーキを間違えたとされる事故が相次いでいましたが、それらがドライブレコーダーの標準化によって運転者のミスなのか、自動車メーカーの設計ミスなのかが記録されてしまいます。
自動車メーカーとしては、これまで適当に運転者の責になっていた事故の責任を負わされる可能性があります。
だからメーカー標準品として、ドライブレコーダーを付けたくないわけですね。
しかし、これほど注目を浴びて装着率が高くなっていますから、これからは標準装備化が否応なしに進められることでしょう。
自動車メーカーは、製品の品質データーが自動的に集められる機会と覚悟して、積極的に装備の充実を図っていただきたいものです。