スーパーコンピューターの日常度

スーパーコンピューターと言えば、「一番でなければなりませんか?」で一躍一般に親しみのある存在になりました。

確かに富士通の京や富岳が世界一になったのですが、世界一だからといって世界中から注文が殺到したとい言う話はなく、世界一になって「注目はされど、注文が来ず」と言ったところでしょうか。

以前、富士通に長く勤めた人と仕事で一緒になった時、富士通のCMOS技術によるスーパーコンピューターは、社内でも特殊な部隊で営業に目標があるわけではなく、利益度外視でやっている看板みたいなものだと言われていたことを思い出します。

スーパーコンピューターといえば、最近では新型コロナ禍のくしゃみ飛沫のシミュレーションが有名になりました。

これによってマスクの有効性が国民に知れ渡り、その後のマスク生活が定着するきっかけになりました。しかし、飛沫の軌跡についてはそれまでの常識を大きく外れることはなく、思っていたとおりに結果だったという印象があります。

くしゃみのシミュレーションをスーパーコンピュータで実行するというと、さぞかし理論的な計算に基づくものと想像してしまいますが、(実際は知りませんが)おそらく数多くの前提条件(Assumptions)が用意されていて、身長や肺活量、気温や気圧、口から出る呼気の初速度、鼻の穴の大きさ、口の中の唾液量、部屋の中の空気の流れ等、設定によって結果が大きく変化するような条件がたくさんあって、とんでもない結果が出たときはそれらを調整して、当たり外れのないような結果が出るようにしていたのではないかと勘ぐってしまいます。

最近では台風の進路を、世界中の研究機関が予測して地図上に軌跡を描いていますが、あまり突拍子もない結果はなく、概ね傾向が似ているのは、シミュレーションの精度がどれもよくて似たような結果になってしまうのかも知れませんし、突拍子もない方角に行かないようにパラメーターの設定で押さえつけているのかも知れません。

要するにスーパーコンピューターで予測をしても、あまりにも奇抜な結果には、世間が拒否をしてしまうのでしょう。ある程度根拠がありながら、奇抜すぎない結果が望まれているのです。

くしゃみの飛沫もそうですが、昔から予想していたのと同じ結果だとしても、スーパーコンピューターで予想が正しかったことが証明されるところに意義があるのでしょう。

「それでも地球は回っている!」みたいな常識を覆す新発見があっても、常識に沿った結果が出るように条件をいじってしまい、スーパーコンピューターから世紀の新発見が生まれるのは意外と難しいような気がします。

くしゃみ飛沫のシミュレーションのように、日常の出来事を証明していくことも地味ですが必要なことなのかも知れません。

ジャニーズ問題の真剣度

一時に比べてニュースになるときのトーンが落ち着いてきた感じがしますが、相変わらずジャニーズの性被害に関するニュースが伝わってきます。

さらに過去に遡って何回かこれまでにニュースとして取り扱われた事件を取り上げたりして、実はずっと昔から同じ問題が継続していた事に気づくわけです。

すなわち、それらの事件報道にも関わらず問題が温存されたまま一向に解決しなかった訳ですが、やっと本人が亡くなられた後になって事件を本当に問題視する姿勢が見えてきたということでしょう。

どうして過去の事件で十分に問題を取り上げて改善してこなかったのかというと、事件の特殊性により真剣に取り上げなかった事があると思います。

今でこそLGBTQなどと表で討論されることも珍しくなりましたが、そのような状況になったのはここ数年のことで、蓋をして誰もまともに見ていなかったのです。

例外と言うことで無視していた。

欧米では80年代から児童ポルノに規制がかけられたりしていましたが、確かにアムステルダムの本屋や文具屋に並べられた絵葉書には、怪しい雰囲気の子どもの絵や写真がたくさんありました。

日本は性に関して奥手というか表沙汰から隠そうとする傾向がありますから、どうしても社会問題として取り上げるまでに時間がかかります。それも数十年単位で遅れている。

ですから欧米に遅れること40年ぐらいで、やっとまともに討議できるところまで国民の意識が追いついてきたということでしょう。

おそらくジェンダーに関してはこれから多くの問題が表面化するでしょうが、一つ一つ目を目を逸らすことなく善悪を判断して、社会の常識となる基盤を作っていきたいものです。

不倫は「悪」かと聞かれたら?

まあ悪とは言い切れませんが、褒められることではなさそうです。ならば普通かと言えば、やはり普通より少し悪い側に寄っている感じですか。

だから品格がある人に出演してもらいたいCMやドラマには、採用しにくいということでしょうか。

しかし、歴史上の人物で恋多き人は男でも女でもたくさんいたようですから、権力や名声がある人なら不倫はつきものだったのかも知れません。

歴史に残る人だからといって人格者である必要はないので、権力や名声、人格と品格、貧富などの間にはそれほど相関がないということでしょう。

品のない権力者はいっぱいいますし、立派な業績がある人が人格者だとは限らないので、芸能人が不倫をしてもそれだけの話し。

でも不倫をした人が家族が和気あいあいとした雰囲気のCMあたりに出演していると、そりゃ違和感がありますし、スポンサーもお断りしたいでしょう。

また不倫は非難されることかどうかと言えば、これもしたい人は非難して、どうでも良い人は無視すればよいのです。このあたりの感覚は婚姻についての考え方の変化が、影響しているかも知れません。

以前は離婚がタブーでしたが今や珍しくないですから、不倫についても近いうちに問題視しない風潮になってくる可能性があるでしょう。

同性婚が議論になる時代ですから、婚姻はあくまで社会的な契約でドライなもの、家族だの愛だの恋愛だのは婚姻とは別のものと切り分けて考えるようになるのでしょうか?

社会の制度が、人々の考え方の変化に追いついていないような気がします。

マイナンバーカードのメリットとは?

マイナンバーカードがニュースになることが多いのですが、一体マイナンバーカードを導入する目的は何なのでしょうか?

色々とトラブルがあれば、本来早く普及させないとどこかに不便が生じたり、他のシステムに不整合が生じたりするはずなので、そちらの観点から問題の大きさを判断できるのですが、マイナンバーカードがなくても困るようなことが見当たらないので、事の重大さもぼやけてしまいます。

世界の国々ではデジタル化が随分進んでいるので、日本だけが遅れる訳にはいかないというのは分からないでもないですが、それだけではデジタル化推進のエンジンにはなり得ません。

やはり、何かしらの導入のメリットや必然性がなければならないと思うのですが、日本の国民の皆さんは理解しているのでしょうか?

健康保険証と統合することだけ見ても、統合のデメリットは色々と議論されて明確になっているものもありますが、メリットで明確になったものは見かけないような気がします。

ITベンダーの売上と、その予算に関わる袖の下みたいなものはしっかり歩いのは予測できますが、本来のシステム化の意味が見えてきません。

普及率アップのために法外なポイント制度を用意するのではなく、導入のメリットを国民に納得させて普及を図るのが筋でしょう。

あるいはマイナンバーカードの目的なんか最初からないのでしょうか?

聞くところによると、さっそくバージョン2のマイナンバーカードが計画されているらしいですが、それなら最初からそちらを普及させれば良いものを、税金を無駄に使う、すなわち予算を何回かに分けてその度に懐に入れようとする輩が多いとしか考えられません。

いつもひどい政策がまかり通っていますが、マイナンバーカードは長く歴史に残る愚策になりそうな予感です。

ハードディスクに穴を開けてもダメ!

HDDの破片が3mmあればデータを再現できるいうニュース。

破片が3mmということは3mm角ぐらいのHDDの破片があれば、そこに記録されていたデータが再現できるというお話。

パソコンの世代が代わるたびに古いパソコンが処分されるのですが、ハードディスクのデータを消すのが面倒な場合、HDDの筐体にドリルで穴を開ければOKみたいな認識の方も多いかと思います。

確かにそのハードディスクドライブで読もうとすれば、ヘッドが正常に、つまりジャンボジェットが地上スレスレを飛ぶぐらいにヘッドが磁気面をなぞることができなくなれば、読み取りはできないというのが少し前までの常識でしたが、今はディスク面の破片が3mm各程度あれば読み取ることが可能だということらしいです。

もちろんそんな芸当が安くできるわけがありませんから、価値のあるデータを盗む目的があるような人と盗む価値のあるデータの場合に限るでしょうが、この手の犯罪も生産性が日増しに上がっていきますから、廃棄処分になったHDDはすべてこの手法で読み取られると考えたほうが良いかも知れません。

となると、やはり磁気面に0と1を何回も書きなぐることを繰り返すのが、一番安全なような気がします。

しかし、大量に廃棄ディスクが発生するデータセンターでは、そんなに何度も書きなぐる暇はないでしょうから、いきおいディスクのシュレッダーを施すのでしょうが、3mm以下にするとなると難しいのかも知れません。

個人で使っているパソコンの場合は、それほどまとまったデータがあるわけではありませんが、マイナンバーカードのように国家に集中するようなデータの場合は、ハードディスクの破片に何万人分の健康保険証番号が記録されているかも知れません。

データセンターのサーバの廃棄処理は、以前からいい加減な手続きがまかり通っていましたから、厳重な罰則を含む法律で規制をするべきでしょう。

マイナンバーカードのように1枚で何でも情報を集めてしまうと、今後色々な情報が漏れて犯罪に利用されることが頻発する可能性があります。

マイナンバーカードを普及させるに当たって、デイスクの3mm破片でも情報漏洩が起こらないという証拠を示す必要がありそうです。