一生涯勉強を続けるということ

最近は社会の変化が速く、それに伴って仕事で必要になるスキルも変化して、またスキルの種類も増えてきています。

以前なら、学校を卒業するまでに学んだスキルさえあれば一生そのまま安泰で、勉強は学生だけがするものと高をくくっていれば良かったのですが、近年通常の業務を行うだけでも覚えなければならない事が増えて、さらに業務改善やら省エネ化やら機械学習やらで飛躍的にこなさなければならないことが増えています。

30年ほど前にパソコンが一般の業務に使い始められてから、業務の効率化という掛け声の割には効率が上がった実感は全く無く、無駄な作業が増えていることを嘆いておられる方も多いのではないでしょうか?

最近、おとなになってからの教育機関とやらがやたらと蔓延ってきていて、昔は大学予備校が流行っていたのが少子化や浪人の減少によって、社会人を対象にした教育カリキュラムが目立つようになってきました。

しかし、社会の変化が激しいと言っても、誰かの策略に踊ら去れているだけで、一向に社会が進歩しているようには見えません。

ただ単に新しい商売のネタを作るために、あれやこれやと新しいスキルを増産しているだけのような気もしてきます。

本来スキルは道具ですから、少ない数のスキルを駆使していろいろなものに仕立て上げていくはずですが、今や業務の数だけスキルが必要なのではないかと言うぐらい、スキルが世間に溢れかえっています。

それでそのスキルが長く利用できるものならば、それなりの時間をかけて習得に励むのもよいのですが、勉強に費やす時間に比べてそれほど役に立たないスキルも数多くあるわけで、やたらと手を出すのは禁物です。

スキルがたくさんありすぎて、どこかのゴミ屋敷のようになっています。

役に立たないスキルははっきり社会から捨て去って、本当に役に立つスキルだけを深めていきたいものですが、皆さんはゴミ屋敷のような社会の方がお好きですか?

マイナカードと健康保険

マイナンバーカードと健康保険証を連係させた途端、医療機関でマイナンバーカードで健康保険情報にアクセス出来ないトラブルが相次いでいるようです。

ある医療機関では、マイナンバーカードで参照できないケースが3割にも及んだと言いますから、動かないコンピューターそのものです。

しかし、いくらなんでも3割でアクセスできないというのはあり得ませんから、マイナンバーカードがあれば何もしなくても自動的に健康保険証としても使えると思い込んだ人が、多かっただけなのでしょう。

日本人のシステムへの理解度はその程度だと言うことを政府はもっと理解して、マイナンバーカードの普及を急ぎすぎないようにしなければなりません。

マイナンバーカードの普及を早めたいがために、いかにもマイナンバーカードさえあれば何でもできるがごとく宣伝しすぎたのかも知れません。

このようなトラブルでは、なかなかシステム開発業者の名前が公表されないものですが、今回はあっさりと富士通の名前が大々的に知れ渡ってしまいました。

悪い商習慣で、富士通は元請けだから技術力がないのは下請けだと言う人がいますが、下請けをレビューする事ができなければ、それは下請けを使う技術力がないということ。

健康保険証との連係トラブル以外にも、コンビニで住民票や印鑑証明書を印刷しようとして、他人の証明書が出てきたという問題もありました。

そもそも住民票や印鑑証明書をいくら役所以外で印刷できるようにしたところで、省力化やペーパーレスにはほとんど役立ちません。

その住民票や印鑑証明書は相変わらず紙に印刷されていて、それを郵便や手渡しで相手に送って手続きをすると行った処理が昔のままでは、印刷工程だけをシステム化をする意味がほとんどありません。

マイナンバーカードで新しい日本の行政システムを作るというのなら、住民票や印鑑証明書を廃止するところから手を付けるべきでしょう。

2段階認証や生体認証など、本人の認証システムはどんどん新しくなっているのに、いまだに住民票と印鑑証明書が必要でしょうか?

富士通は、一旦システムをシャットダウンして改善するそうですが、マイナンバーカードも含めて、システム全体を見直したほうが良いのではないかと思います。

新型コロナの追跡システムは短期間の一時しのぎでしたから、いい加減なシステムでも許されたかも知れませんが、マイナンバーカードは今後数十年は使い続けることになるでしょうから、もっと慎重に開発するべきでしょう。

このまま前時代的なシステムを将来に渡って世話をして行くなんて、勘弁してもらいたいものです。