年金は2階建て?それとも屋根なしの平屋?

近年、老人の貧困が問題になることが多くなっています。

バブル経済の頃は「定年後は家族揃ってハワイ旅行だ!」なんていう話がまかり通っていて、現にそのようなテーマのドラマも数多く作られていました。

ですから、その頃に子供だった人からすれば、人生設計をそのようなものだと信じて、安易な生活を繰り返してきたとしても仕方がないかも知れません。

バブル経済当時に定年を迎えた人たちは、日本が貧しいときに成人して、それ以降働けば働くほど給料が増えて、退職金も想像以上に手に入った時代に生きていました。

安い値段(買った当時は高かったにしても)で買った住宅は、建物が古くなって価値がなくなったとしても土地の価値が数倍にもなりましたから、不動産を買って資産が増えることはあっても減るなんてことはなかったのです。

およそ経済という言葉が日本で使われるようになってから、ずっと拡大傾向が続いてきましたから、過去より今の方が必ず裕福になっていて、しかも日本中の人が皆中流気分を味わえる程不自由がなかったのです。

しかし、バブルが弾けると一変し、よほど知恵がある経営者以外は落ちぶれていき、よくて現状維持、悪ければ撤退・倒産するような産業や企業が増えていったのです。

過去と同じつもりで住宅を購入してしまうと、年月が経つと明らかに資産価値が目減りするにも関わらず、住宅価格の高騰から高額のローンを長期間かけて返済する義務が生じてしまいます。

そこに期待したほど退職金がないとなり、更には年金も生活に足りるほどではないことが定年間際にわかったとしても、もう対策の施しようがありません。

政府は、老後資金は投資で貯めようなどと呑気なことを言っていますが、投資は賭けですから、スッテンテンになるリスクを負える人以外は手を出してはいけません。

生活費のための投資などあり得ない!

このように見ていくと、よく日本の年金制度は2階建てやら3階建てなどと説明されていますが、せいぜい屋根のない平屋程度だと考えるべきで、雨露をしのぎたければ屋根を作れるぐらいの自己資金を貯めておかなければならないということです。

最近も「年金制度は2階建て」という説明が積極的にされているかどうか分かりませんが、借金にまみれた政府の言うことを鵜呑みにせず、無駄遣いはせずに、せっせと老後に備えて貯蓄と学習に励みましょう。(学習ってなんだ?)