東洋経済オンラインに「日本車メーカーはなぜこんなに”お気楽”なのか」という記事が掲載されています。
世界中で石油由来燃料の使用が規制されEVがもてはやされているのに、日本の自動車メーカーだけがEVに消極的な態度を続けるために、過去の米国ビッグスリーと同じ運命をたどるのではないかと警告しています。
最近YouTube系のCARWOWという、少しふざけた感じの自動車紹介チャンネルをよく見るのですが、確かにEVのドラッグレース対決で日本車が登場することはほとんどありません。
先進性では米国のテスラがEVの筆頭で、その後をドイツ車や中国車が追いかけているという状況で、英国ジャガーや北欧ボルボも対抗車種を出しています。
テスラには兄弟会社のようなルシードという会社があり、エアーという車種は新しいクラウンかと見間違うぐらい似ています。
もちろんトヨタもハイブリッドを始めとして、EVやFCVなど、技術は実質的にEVと呼べるものが網羅されていますが、トータルとしてEVに消極的という印象を与えてしまうようです。
このあたりは前トヨタ社長が説く、長期的にカーボンフリーを目指すには単純なEVだけでなく、いろいろな方法でアプローチしなければならないという考え方が影響しているようです。
しかし、このようなことは日本の政治家が世界に問えば良いことであって、いくらトヨタが世界で一番自動車を生産しているからと行って、世界のエネルギー政策にまで口を出してしまうと、EVの技術がない言い訳にしか聞こえないのです。
かくして、古い米国のビッグスリーと日本のメーカーが同列に論じられてしまうのです。
トヨタにとって不幸だたのは、日本国内に競合他社が全くおらず、特に競合となるべき日産とホンダが全く振るわず、それ以下のメーカーはトヨタの技術を借りてきてハイブリッド化するのがせいぜいだということです。
確かに日本のメーカーはお気楽なのでしょう。
驚いたことに、数十年前は共産主義国でぼろい車しか作れなかったシュコダが、今やフォルクスワーゲンと提携して近代的な乗用車が作れるようになっていると言うことです。
日本は半導体、家電、コンピューターが落ちぶれたと言われて、最後に自動車産業だけが残っているので守らなければならないなどという論調がありますが、本当に残っているのはトヨタ1社だけで、残りの自動車メーカーは家電と同じくほとんど休業しているように見えます。
これからは国内の先細りの需要とアジアの小国へ、1世代も2世代も前の安い車を売り続けることになるのでしょうか?
政府が半導体に税金を投入するという話ですが、このままでは自動車産業もジリ貧です。
80年代のシュコダを作っていた旧ユーゴスラビアのように、日本は旧社会主義国のようにうらぶれていくのでしょうか?