新型コロナが流行し始めた頃、日本と韓国で異常に感染者が少なく、両国で定期的に接種していたBCGが効いているのではないかという説がありました。
その後、たくさんの研究者の方が実証実験に取り組んでいて、最近になってその結果が発表され始めているそうです。
同様の研究の中で比較的信頼性が高い実権によって得られた結果に、「BCG接種によって新型コロナの発症が抑えられる」という結論に至らなかったものがあったそうです。
幼少期に接種している日本の場合に比べて、実験では接種してから間が経たないため、免疫の付き方に差があるかも知れませんが、BCG接種による優位な差がでなかったという結論だったそうです。
一方、同じ時期に発表された別の論文では、20%の人に対してBCGが有効だったという結論だったようで、これからまだまだ議論の余地がありそうです。
同じ薬でも人によって効果が違うことはよくありますが、それがその人の生体的な理由があるのか、投与方法や時間によって差が出るのかさえ分からないことはよくあります。
また、現在では新型コロナワクチンが多数開発されていますから、BCGを代用に使う必然性がなくなっているのも、この研究に対する興味が世界的に薄れているのも確かです。
新型コロナとBCGに関連がないことが事実なら、それが病理学的にヒントとなることもあるでしょう。
今後も同様なウィルスの驚異がやってくることがあるでしょうから、これらの実験の積み重ねによって、次の備えの一部になることを期待したいところです。