日本人が得意なサイズ

昔から「末は博士か大臣か」と申しまして、小さい頃には「何と聡明な子だ!」と思われていても、大きくなるに従い輝きを失い、「大人になったらただの人」になってしまうことはよくあることです。

同級生で小学校のときはあんなに賢かったのに、中学・高校と進むに連れて目立たなくなり、そのうち消息さえ分からないなんてこともざらにありまあす。もちろん小さいときから目立たないこともありますから、少しでも目立っていた時期があっただけ幸せかも知れません。

三菱重工が旅客機の開発を断念すると言うニュース。数年前に試験飛行を始めた頃は、戦後初めての本格的な飛行機の成功を確信していたものでした。

産業の空洞化が叫ばれていましたから、工業分野の裾野が広い航空機に対する期待も大きかったのです。

経済環境の変化やアメリカでの認可取得のトラブルなど、技術的な問題以外で足を引っ張った要因も多かったですが、必要な技術のサイズ感が日本には大きすぎたのかも知れません。

さっきの同級生の話に戻りますが、例えば小学校の勉強は得意だったけれども中学から急に難しく感じたとか、中学は簡単だったけれど高校で落ちこぼれたという人も多いかと思います。

人それぞれで得意な複雑さというのがあって、他の人よりパフォーマンスがよい範囲みたいなものがあるように感じます。

日本が技術立国だと思っていたのも、テレビやビデオ、半導体や自動車など、部品点数が飛行機より数桁低いものです。

飛行機の部品点数を設計・管理するためには、半導体や自動車の技術とは違う発想や仕組みが必要なのでしょう。

特にデジタル化によって電気製品の部品数は格段に少なくなっているので、日本が得意とする部品数より製品規模が小さくなってしまい、その程度のサイズを得意とする国々に覇権を取られています。

一方、自動車もEV化で部品点数が劇的に減少しており、これまでは自動車をシステムと捉えて全体最適化設計をしていたところが、モーター、バッテリー、サスペンション、ボディ等、それぞれの部品を最適化してしまえば、以前に比べてそれほどインテグレーションには技術はいらず、それらを組み合わせるだけで最高の車を作ることができるようになりつつあります。

日本人は品質に厳格だったから、高品質な製品が世界を席巻したのは30年前までの話。

すなわち、ここでも日本の得意とするサイズ感より小さくなっていて、今後もこの分野で世界の競争相手と伍して行くためには、これまで良しとされてきた品質管理方法や品質基準を数段緩和する方向に修正が必要になるのではないかと思います。

日本人の衛生観念

長らく日本人はきれい好きだと言われていました。

「街にはゴミ一つ落ちていない。駅も商店も公共のトイレも清潔である。銀座の通りは世界で一番きれいだ。」

まあ引き合いに出される海外の街並みは、ニューヨーク市の53番街みたいな薄暗いゴミが舞うようなところばかりですから、比較する対象が間違っていることもありましたが、概ね日本人はきれい好きという事で、内外ともに共通認識だったような気がします。

日本人のきれい好きと言えば思い出すのが、ビールやコーラなどのアルミ缶のプルトップからステイオンに変わったときです。

それまでは日本のアルミ缶には、引っ張って取れるプルトップ式が使われており、小さいものですからそこら辺に投げ捨てる人が多く、公園の砂場や海水浴場で足を切る人が多かったのです。

そこで、海外ですでに普及していた、缶を開けた後もめり込んだ形で残るステイオン式に変更されたのですが、その際に、缶に外部にあった缶の一部が飲み物に接する缶の内部にめり込むのは、日本人の衛生観念からして普及しないという意見が多かったのです。

しかし、(文字通り)蓋を開けてみると、特に大きな問題にもならず、ステイオンがそのまま受け入れられたのです。

今から思えば、缶の一部がめり込むより、平気で缶の外部にベチャッと唇を付けて飲んでいたのですから、日本人の衛生観念は不思議です。

ところで、今話題になっている回転寿司を始めとする衛生マナーの問題ですが、若い人の中には、本格的な寿司屋で人の手で握った寿司は気持ちが悪くて食べられないという考えがあるそうです。

ですから、そのような人たちにとっては、回転寿司は高級寿司店より衛生的だったわけですが、今回の騒動でそれも疑わしくなっています。

そういえば、昔から高校の授業の雑談で「寿司屋のおやじがトイレでちゃんと手を洗っているか怪しいぞ!」という話がありました。

これは個人的な見解ですが、モールやデパートのトイレで男性のうち3分に1ぐらいは、手を洗わずにそのまま出ていきます。(ものの大小は問わず)

寿司屋のおやじ(おやじがやっている寿司屋が今もあるか疑問ですが)が、必ず残りの3分の2に入っていればいいですが、、、

よく中国人はレストランに入ると、まず箸やナイフやフォークを紙ナプキンでゴシゴシ拭っています。アメリカに長く住んでいた中国系の人も、熱心に拭いていました。

これから日本人も回転寿司に入ったら、湯呑や醤油をアルコールティッシューで拭きまくるようになるのでしょうか?

アルコール週140gの呪縛

少し前に「アルコール管理アプリ」という投稿で、飲酒量を管理するアプリをスマートフォンにインストールして、毎日の飲酒量を管理(出来ればに話だが)しようという話を書きました。

しばらくは続けていたのですが、いちいち記録することが面倒になり、中途半端なデータが残ったアプリもアンインストールしてしまいました。

結局アプリにデータを記録することだけで安心してしまい、飲酒量を管理するまでには至りませんでした。家計簿に毎日支払いした金額を書き込むだけで、家計を管理していると錯覚するのと同じでしょうか。

さて飲酒量はイギリスのある研究によって、週当たり140gのエチルアルコール量を超えると健康に影響を及ぼし始めると言うことから、1日当り20g以内に抑えると安心だと言われております。

もっともアルコールは1滴でも健康に悪影響が出るという説もありますから、人によって限度の設定は違うかも知れません。

いずれにしても、アルコール摂取量を測るにはエチルアルコールの体積ではなく質量が重要なのですが、ここで疑問が生じます。

例えば、500ml缶のビールがアルコール度数が5%の場合、500ml x 0.05 = 25ml となり、アルコールの比重が0.8(アプリでは0.79で計算していましたが、)ということで、25ml x 0.8g/ml = 20g となります。

つまり、毎日飲むのなら500mlで5%のビールを、週7日飲めば限度を超えないということで、安心してロング缶を毎日飲んでおられる方も多いかと思います。

ただ、小学校の理科で習ったとおり、水とアルコールは混合すると体積が減ります。しかし、いくら(何%)減るかというデータは見かけたことがありません。

「混ぜて体積が減るのなら、もう少し飲んでも構わんか!」と常に多い目になっている方もいるかも知れません。(それは私!)

おそらく、容積というのは液体の温度や撹拌状況によって変わるのでしょうが、大概のアルコールの計算は、全体の容量にアルコール度数をかけたものに、比重の0.8をかけて求めているようです。

正確なアルコール量を計算したいという要望があったのかどうか分かりませんが、最近になってアルコール飲料の度数表示を、容量に対する度数ではなく、アルコール重量で表示する動きがあるようです。

つまり「この缶には何グラムのエチルアルコールが入っています」という表示に変わりつつあるということです。

これなら容量から計算する必要がありませんから、20g以内かどうかをすぐに判断できます。(ただし判断できるうちは、、、)

まあ、結局アルコール度数には誤差が付き物らしいですから、あまり計算方法にこだわってもアルコール量が正確に求まる訳ではありません。

ましてや週140gを超えたら急に病に伏すということでもありませんから、健康に気をつけながら、迷惑にならない程度に楽しく飲酒することが大切だということでしょう。

ところで、サッポロのチューハイにフォーナイン(99.99)と称したものが出たとき、「アルコール度数99.99%だと!」と色めきだったあなた!(これも私です。)

これはアルコール度数ではなくアルコールの純度だということですが、つまりアルコール飲料中のアルコールにはエチルアルコール以外のもの、例えばメチルアルコールなどが含まれているらしく、それらがいわゆる悪酔いの原因になっているとか。

よく醸造酒のワインやビールが悪酔いすると言われますが、アルコール純度が原因だったのかも知れません。

また、エチルアルコールの純度は、95%ぐらいになると特殊な(毒性の強い)薬品の力を借りないとそれ以上純度を上げられないと言われています。

99.99%の純度がどうやって達成できたか? まだまだ疑問が尽きません。

日本製自動車が韓国製に負け?

ついに韓国の賃金が日本を追い抜いたらしいです。

賃金比較には為替やなにやらいろいろ考慮することはあるでしょうが、そんな細かい話ではなく、90年代は日本の3分の1と言われていましたから、ここ30年の間に3倍もの差を追いつかれてしまったわけです。

韓国が経済的に世界を席巻しているわけでもありませんから、日本の低迷ぶりが悲惨なレベルであるということでしょう。

CarWawというイギリス発の車に関する情報を発信しているYouTubeチャンネルがあります。

そこでBest SUVと題して、ヒュンダイ、キア、とともにホンダのヴェゼルと日産のキャッシュカイを比較した動画がありました。

値段も韓国製の方が少しばかり高いです。正に国民の賃金と同じ!

それでも日本車の評価が高ければ良いのですが、細かい評価を見てもルックスを見ても日本車は韓国車に見劣りがします。

結果はキアの勝ち!

このチャンネルは、比較的正直に新車の評価をするのが有名です。日本のチャンネルは、やたらドイツ車ばかり褒める事が多いですが、CarWawは結構ガチで評価をしていて信頼性が高いと思います。

これは韓国車に限らず、30年前のシュコダが今やフォルクスワーゲンとほぼ同じ出来栄えですから、日本車が30年前と同じ程度なら見劣りして当然です。

海外の自動車産業は日本人が考えている以上に進歩しています。(日本人が寝ている間に!)

キアは30年前はトラックしか作っていなかったように思いますが、今や日本車を脅かす存在になりました。

このままではトヨタ以外の日本車の国際的な競争力は、技術面でも資本面でも勝ち目はありません。

日本は今更になって半導体にテコ入れをしようとしていますが、稼ぎ頭と思われていた自動車産業も放ったらかしにしている間に、トヨタ以外は携帯電話と同様のガラパゴス状態です。

すでに手遅れの半導体にテコ入れする前に、早い目にテコ入れしなければならないのではないでしょうか?

相次ぐ不衛生迷惑行為

回転寿司チェーンで様々な不衛生な行為が拡散されたかと思えば、今度はうどんのチェーン店で備え付けの天かすに同様の不衛生な行為を行なったというニュースです。

日本のシステムは性善説が前提ですから、無防備であることが多いです。

アメリカなどはそこら中にタダで飯を食おうとする人(かゾンビか判らない)がたくさんいますから、無防備だと餌食になってしまいます。

テーブルの上に無料の添え物、生姜やネギや醤油など、が置かれた店は牛丼屋やラーメン屋にも多いですから、日本中の飲食店が被害の対象になる可能性があります。

昭和の時代に、毎朝各家庭の前の牛乳箱に届けられる牛乳は、まだ朝の人気の少ない時間に配達されていましたから無防備でしたが、これが盗まれてニュースになることは聞いたことがありませんでした。(ニュースにならないほど頻繁に盗まれていたかもしれないが、、、)

その当時聞いた話では、簡単に盗まれるところに置かれた牛乳を盗むと、世間の常識としての安全性が失われるので罪が重いと言われていました。

つまり、無防備でも安全だと思っていたものがそうでなくなると、安全を保つためのコストがかかってしまうので、社会的損失が大きいということでしょう。

一方で私が新卒で入社したとき、大阪駅近くの串カツ屋で先輩に言われたのは、「このソースの中に何かが入っていると思ったらあかんで、そんな事が気になりだしたら安心して食ってられへんからな!」ということでした。

まあいわゆる屋台のようなところで食べるのに、そんなに衛生面を気にしたらいかんということでしょう。

しかし当時は、最近見かける「ソースの2度付け禁止!」という注意書きはありませんでした。お客のマナーに対する意識が今より高かったのでしょうか。(そんなことはないように思うが、、、)

店の最低限のマナーは客が自主的に守った。なぜなら、守らないと二度とその店に立ち入れなくなるから。

それに比べると、最近のニュースでの不衛生さは無粋の極みです。

今回の騒動で外食産業が一斉に安全策を講じると、無料の添え物がなくなったり、無駄な安全装置で使い勝手が悪くなたりとあまり良いことはなさそうです。

メールやコンピューターシステムのハッキングやマルウェアなどのように、常にいたちごっこで安全対策を講じ続ける必要がありそうです。