東洋経済オンラインに「システム開発はなぜこうも失敗を繰り返すのか」という記事が掲載されています。
かつて、日経コンピューターという雑誌に「動かないコンピューター」という連載記事がありましたが、毎月毎月これでもかというお粗末なシステム開発の顛末が繰り広げられていました。
しかし、これほどコンピューター業務が溢れてきて、SIerの経験も蓄積されてパッケージソフトも充実してきても、相変わらず多数のシステム開発の失敗事例があるそうです。
実際にニュースにならずにもみ消された案件も相当数あると思われますから、コンピューター技術が進歩してもなかなか改善しにくいものなのでしょう。
記事の中で失敗の原因として挙げられているものに、開発チーム間のコミュニケーションの問題と経営者の無知が挙げられています。
どちらも「動かないコンピューター」でおなじみの理由で、これら人間自身にかかわる問題というのは、時代が変わっても人間には進歩がないということの証なのでしょう。
しかし、経営者がシステム開発に無知というのはどういうことでしょうか?
企業がコンピューターを利用し始めて長く経ちますから、システム開発経験がある担当者が少しぐらい経営層にいても不思議ではないのですが、もしシステム部門出身者が経営層に上り詰めることができないシステム開発軽視の企業ですから、システム開発を失敗するのは当然かも知れません。
Amazonは、自社開発したECシステムを武器に世界中の流通を牛耳ったばかりか、開発したシステム自体もクラウドコンピューティングと称して別の新しいビジネスに結び付けています。
対象的に日本の多くの企業は、自社で使うシステム開発も満足にできず、ビジネスに結びつけて儲けるどころかゴミと化したシステムが業績の足を引っ張っています。
経営者とコミュニケーションが悪いということは、数十年前から言われ続けていたことです。
まだ日本には無駄をしている余裕がありますか?