動かない経営者

東洋経済オンラインに「システム開発はなぜこうも失敗を繰り返すのか」という記事が掲載されています。

かつて、日経コンピューターという雑誌に「動かないコンピューター」という連載記事がありましたが、毎月毎月これでもかというお粗末なシステム開発の顛末が繰り広げられていました。

しかし、これほどコンピューター業務が溢れてきて、SIerの経験も蓄積されてパッケージソフトも充実してきても、相変わらず多数のシステム開発の失敗事例があるそうです。

実際にニュースにならずにもみ消された案件も相当数あると思われますから、コンピューター技術が進歩してもなかなか改善しにくいものなのでしょう。

記事の中で失敗の原因として挙げられているものに、開発チーム間のコミュニケーションの問題と経営者の無知が挙げられています。

どちらも「動かないコンピューター」でおなじみの理由で、これら人間自身にかかわる問題というのは、時代が変わっても人間には進歩がないということの証なのでしょう。

しかし、経営者がシステム開発に無知というのはどういうことでしょうか?

企業がコンピューターを利用し始めて長く経ちますから、システム開発経験がある担当者が少しぐらい経営層にいても不思議ではないのですが、もしシステム部門出身者が経営層に上り詰めることができないシステム開発軽視の企業ですから、システム開発を失敗するのは当然かも知れません。

Amazonは、自社開発したECシステムを武器に世界中の流通を牛耳ったばかりか、開発したシステム自体もクラウドコンピューティングと称して別の新しいビジネスに結び付けています。

対象的に日本の多くの企業は、自社で使うシステム開発も満足にできず、ビジネスに結びつけて儲けるどころかゴミと化したシステムが業績の足を引っ張っています。

経営者とコミュニケーションが悪いということは、数十年前から言われ続けていたことです。

まだ日本には無駄をしている余裕がありますか?

ドメスティックインターネットはどうでしょう?

今、自宅のインターネットが遅いのでホームWiFiルーターを試しているのですが、何故かあるパソコンだけそのルーターを通すとIPv4アドレスにアクセスできないトラブルで困っています。

GoogleやYouTubeのようなグローバルサービスをしているサイトは、すでにIPv6になっているのでアクセス可能なのですが、その他のサイト、例えば朝日新聞やBBCなどはIPv4なのでアクセスできなくなっています。

インターネットのサイトをいろいろ調べても、なかなか解決方法が見つからないのですが、その時にふと、IPv4はこのままでも良いのではないかと思いました。

IoTが提唱されたのは2000年頃でしょうか? 

まだ日本ではそれほどインターネットが知れ渡る前で、かろうじてインターネットを携帯電話の固定したサイトがインターネットを間借りしているような時代でした。

その後、本格的にインターネットが普及するとIPアドレスの数が将来足らなくなるということで、IPv4を拡張したIPv6というアドレッシング方式が採用されて、今も移行が進んでいるところです。

しかし、日本国内のサイトはほとんどがまだIPv4ですし、近々変更する気配もあまり感じません。(私だけ?)

ところで、IoTで世の中のものすべてをインターネットに繋いだら、生活が今より豊かになるのでしょうか?

例えば買い物に行った時に自宅の冷蔵庫の内容が分かれば便利かもしれませんが、それなら出かける前に確認すればよいのであって、あるいは出先からインターネットで冷蔵庫を覗いて買い物を決めるほど几帳面な人なら自分の頭で覚えているでしょう。

また、自分の冷蔵庫ならまだ興味がありますが、カリフォルニアに住んでいるボブさんの冷蔵庫の中身には興味ありません。インターネット上で個別にIPアドレスを振って、世界中の人からアクセス可能にするアドレス空間が必要でしょうか?

先日、電動工具の話を投稿した時に、最近USのHome Depotではどのような電動工具を売っているのか気になってインターネットのサイトを開こうとしたのですが、日本からはアクセスできないようになっていました。

日本から注文することができないのですから、日本人にアクセスさせる必要はありません。

IPv6とIPv4を使い分けるとか、国内はプライベートネットワークにしてしまうとか、方法はいろいろあるでしょうが、アクセスできる地域を制限することによるメリットも多いのではないでしょうか?

海外からのハッキングもなくなりますし、IPアドレスの枯渇についての対策にもなるでしょう。

そもそもIoT(Internet of Things)って意味あります?