最近のZ世代は映画を倍速で視聴しているというニュース。
世代によって快適に思う速度が異なるそうですが、若い世代になるに従って高速化して、Z世代は1.5倍速が快適に感じるそうです。
映画に限らずYouTubeや大学の講義などでも基本は倍速再生で、重要なところや聞き取りにくいところだけノーマル再生にするそうです。
英会話の学習で速いスピードで聞き取る練習をしておくと、通常のスピードで聞き取りやすいといったメリットもあるでしょう。
アナログ技術では音のピッチが変わってしまって、甲高い声になって聞きづらいですから、デジタル技術の恩恵の一つと言えるでしょう。
遠い過去を思い起こせば、1970年代の大学受験と言えば旺文社が参考書や模擬試験を牛耳っている時代がありまして、その勢いで「大学受験ラジオ講座」が受験生の定番番組であったことがありました。
毎日夜の11時ごろからスタートする講義は、1講義30分で2本立て計1時間の番組で、英語、数学、国語の主に大学教授による受験指導は大変人気がありました。
毎日のように1時間講義を聞くというのは結構大変です。
そこで、当時オープンリールテープレコーダーを使って、4.75cm/sのスピードで録音して9.5cm/sで再生するという、正に2倍速で1時間を30分に縮めて拝聴しておりました。
時間が足りないときに倍速を使うというのは、今も昔も変わりません。
ところで、最近の映画やテレビ番組は、規定の時間(尺)を満たすために水増ししている事が多々あります。
例えばテレビのバラエティ番組で、同じ場面が何度も繰り返し出てくることが多くなりましたし、映画でも話の筋に進展がない退屈な場面が延々続くことが多くなりました。
そこで自由再生速度が変えられるデジタル環境があるのですから、倍速再生をするのは当然と言えましょう。
番組制作者からすれば、せっかく苦労して作り込んだのだから、通常の速度で再生して欲しいという気持ちなのでしょうが、ノーマル再生に値しないと評価されたのだからそれだけの作品だということでしょう。
今はまだ倍速視聴が新たな傾向としてニュースになているだけですが、そのうち著作権がどうのこうのという問題に発展しそうな気配です。
成り行きによっては、ビデオやYouTubeの再生速度変更機能が違法とみなされて、禁止されてしまう可能性もないとはいえません。
製作者と視聴者でもっと議論をする必要があるかもしれません。