はだかの王様

11年に渡って企業を統治した経営者が、ハレンチな醜態を公にさらされたとのこと。

会社の経費で、会社の施設で、コンパニオンと混浴を楽しんでいたとは、とんだ裸の王様です!

定年後の役人が一般企業に天下るとろくなことがありません。

そんな年老いた役人の現役時代の人脈に頼らないと成り立たない企業ならば、ゾンビ企業と言わざるを得ないでしょう。

しかもニュースになるのは、大概輝かしい経歴を持ったエリートと呼ばれた人であることが多いです。

開成高校から東大を出たのならもっと人格者であってしかるべきですが、しっかりした人格が形成されない学歴にはあまり意味がないような気がします。

年間1億円以上の報酬を得ていたということですから、少なからず本業にも貢献していたのでしょうが、それにしてもあまりにもやっていることがブサイクすぎる!

日本だけに限ったことではないかもしれませんが、コネや人脈といった過去の遺産に頼るとろくなことがありません。

今現在どのような職務能力があるかを判断するのに、過去の実績や人脈しか評価できないから、学歴社会やコネ入社、学歴フィルター、世襲制議員などがまかり通ってしまうのでしょう。

CTスキャンで体の状態を隅々まで透視できるように、カメラの前に立つだけでその人の能力や癖を見透かす技術が早くできないものでしょうか?

日本の労働生産性が低い理由

日本生産性本部が発表した労働生産性の国際比較で、OECD加盟国38カ国中日本は27位で、順位は1970年以来最低だったということです。

時間当たりや一人当たりの順位は27~29位とほぼ同じですが、製造業だけ見ると18位まで順位をあげます。製造業の衰退が叫ばれていますが、まだ製造業の方が他の産業よりマシということでしょうか。

ただし製造業のランキングは2000年はOECDでトップだったそうですから、かなり順位を下げているのは確かです。

よく新聞などで日本の労働生産性が低い原因を書いた記事がありますが、少子化や晩婚化のような一般的な社会問題と結びつけて論じられることが多いようです。確かにそれらも生産性を下げている一因かもしれません。

しかし、長年日本の企業にいて感じるのは、そもそも日本の企業の誰も(経営者も労働者も)労働生産性を上げようと思っていないのです。

企業の業績は、売上であったり利益であったり株価であったり、会社四季報に羅列されている数値を見れば分かりますが、それらは株で儲けようとする人たちが使う指標です。

株が上がるか下がるかを判断するための指標は必要ですが、企業を従業員と社会のために成長させていくために使える指標ではありません。少なくとも数十年単位で成長する企業かどうかは分かりません。

それ故に、株価や短期的な利益にしか眼中にない経営者は労働生産性には目もくれず、労働者をこき使う方向に進んだ結果、労働生産性が低いまま半世紀が過ぎてしまったのではないかと思います。

無駄な会議、無駄な資料、忖度の限りを尽くした根回し、日本の古来からの悪習慣の塊です。企業はまだマシで、国や地方の機関の労働生産性はないに等しい(何も価値を創出していない)かもしれません。

創業者が経営する企業の業績が良いと言われます。短期的な株価を上げることより、企業の存続や社会貢献に対する姿勢が違うように思います。

日本の経営者がお金や地位や名誉に目がくらんでしまったのが、労働生産性が上がらない大きな理由の一つだと思います。