電力は文明の証

大雪による停電の発生地域の方々には心からお見舞い申しあげます。

インフラの電気・ガス・水道は、そのどれかが欠けても生活に大きな支障をきたしますが、その中で電力は広域に渡って影響が出ます。

日本に限らずUSでも寒波によって大規模な停電が起こっているようですが、雪やアイスストームによって送電の鉄塔が倒壊すると、広い範囲で停電が続き復旧に時間がかかるため、州を越えて電力がある地域に移動して復旧を待つこともあるようです。

日本では、高品質で安定した電力供給によって工場生産を支えている側面がありましたが、近年の工場の海外流出によってあまり話題にならないようになりました。

10年ほど前にインドに行ったときに、ホテルの電気が頻繁に止まる事があり、不安定なネットワークも相まって、日本の電力インフラの優秀さを痛感したものです。

インフラはいったん普及した後も維持するためのメンテナンスが欠かせません。経済が好調なときはインフラの負担も苦になりませんが、経済が傾いてくるとインフラのメインテナンスが手薄になって生活に影響が出始めます。

東京都で新築住宅に太陽光発電を義務付けたそうですが、電力供給システムは数十年単位で計画しなければならないものです。

個人の住宅設備が、そのような大規模なシステムの一部を構成するだけの信頼性を長期に渡って保証することができるのでしょうか?

大雪や台風で住宅の太陽光発電が故障したときに、個人が修繕費を負担できないために電力システムが逼迫するような事態は避けたいものです。

お歳暮とファックス

大変私事で恐縮ですが、2週間ほど前にお歳暮を送ったところ、発送業務を行う部門へのファックスが送信されていなかったということで、先方に届いていなかったというトラブルがありました。

ちょっと前までは日本の技術は世界の最先端を行っているという感覚がありましたが、実際は未だにアナログ技術に頼っていて、ガラ携だけでなくあらゆるところに過去の技術が取り残されていると話題になりました。

その最たるものがファックスで、特に役所関係で頻繁にやり取りされていることが取り上げられたことがありました。

政府はマイナンバーカードでデジタル化を進める起爆剤にしようと躍起ですが、まだまだ民間企業でもファックスに頼った業務が続いているようです。

ファックスは登場したときから問題があって、送信したというログが残っていたとしても受信先でファックスの髪が切れていたとか、ファックスの紙を誰かが持ち去ってないとか、風で飛んでしまったとか、字がつぶれて読めないとか、通信手段としては非常に厄介なものでした。

その後、ファックス機器の使いやすさでは少しばかり改善されたとしても、ファックスが持つ不確実性はあまり改善できなかったように思います。

よく言った言わないで揉めることがありますが、まったくそれを絵に書いたようなトラブルがファックスには付き物でした。

発注業務のような顧客の目につかないところでは、従業員が手作業でやっていたとしても表には現れないので、非効率な作業が改善されず取り残されがちです。

日本の労働生産性が低い理由の一つを垣間見たような気がします。

さて今回の問題をきっかけに、その業者の業務が改善されるでしょうか?

いや、それよりお歳暮やお中元のしきたりそのものが非効率なのか?