最近、銀行のATMでキャッシュカードの生体認証を廃止するというニュースがありました。
ATMで現金を下ろしたり振込をする際に、暗証番号以外に指紋や静脈パターンによる生体認証が必要なICカードがありましたが、今後これらの生体認証を廃止していくそうです。
世の中はセキュリティがますます厳しく管理されていき、あらゆるログインには二重認証が当たり前のように要求されるようになりました。
ところが最もセキュリティに厳格と思われてきた銀行が、時代に逆行して生体認証を止めるというのですから、よほど止める合理的な理由があるのでしょう。今後のあらゆる認証システムに大きく影響を与える変化かもしれません。
そもそもキャッシュカードの生体認証は30年ぐらい歴史がありますが、いまだに統一した手法が確立されておらず、各社各様の取り組みでばらばらでした。おそらくどの方法も決定的な利点も欠点もなかったのでしょう。
確かに手の指紋や静脈での認証は、本人でもなかなかパスしないことも多く、使い勝手が決して良いとは言えません。
何らかの改善は必要でしょうが、一気に廃止してしまうとはいささか性急かとも思うのですが、どんどん有人銀行店舗が閉鎖されて生体認証の登録を行う窓口を維持できないと言うのが、実は銀行の本音だったりするかもしれません。
窓口を維持するコストほどは、生体認証の効果がなかったのか?
生体認証の廃止によってキャッシュカードの被害が増えたとしても、保険か何かで補填するほうが窓口維持のコストより安いという判斷でしょうか。
近所のATMでは係の人が常に無人店舗のATMにいて、オレオレ詐欺の類の被害を防ぐべく啓蒙のティッシュペーパーを配布したり、声がけをして犯罪を未然に防ぐために努力をされています。
オレオレ詐欺には生体認証は効果ありませんから、本人がどうかを確認するだけでなく、本人のATMを使う意思を確認できるような生体+意思認証が今後必要になってくるのかもしれません。