最近になって各方面から、将来的にすべてのエンジン車がなくなることはないという見解が多く出るようになりました。
ヨーロッパの国々が流れに遅れまいとして、近い将来に国内で販売されるエンジン車を禁止する法律を制定し始めましたが、産業界から待ったがかかったということでしょうか。
CO2の排出量を規制して地球温暖化を抑制するところから始まり、石油資源を使うガソリン車やディーゼル車を規制しようとするのは、一見環境に良さそうに見えますが、実は環境負荷が意外に多いということが見えてきたからでしょう。
地球温暖化の原因に関しても、メタンガスの放出や牛のゲップまでが規制の対象になり始めていますから、技術的に困難で本当にCO2排出量を減らすことができるかはっきりしないエンジン車だけを、急いで禁止しても勇み足になる可能性があります。
EV化には追加の発電所の建設が必須であり、発電のために化石燃料を余計に燃やせばCO2の排出が増えますし、だからと言って「原子力に頼ります」とも言いにくい。
自動車ごとに小型核融合炉を搭載して発電しながら走るようになれば(アメリカで開発に成功したというニュースもありますが)話は別でしょうが、早急にEVにしたところで電池資源の問題や電力不足をどう補うかなど、自動車産業以外に負担が相当かかることを考慮しきれていない感があります。
またエンジン技術がない中国が、電気自動車で一気に世界の自動車産業をひっくり返そうとしているのも気になります。
日本の自動車産業としては、全面的にEVに行く可能性と、エンジン者がハイブリッドであっても残る可能性と、天秤にかけてどちらでも生き残れるようにしないといけません。
人類のシナリオとしては、核融合が21世紀には完成してエネルギー問題は解決するはずだったのですが、ひょっとしたらここ数年でそれが実現して、EVだエンジンだという議論が意味のないものになるかもしれません。(っていうか、それしか有効な解決方法がないような気がする。)