岡村酒造場

「盆と正月が一緒に来る」と申しますが、そもそも大晦日と正月は一緒にやってきます。(あたりまえ!)

つまり忘年会と新年会を続けてやらなければなりません。ですからアルコールが欠かせません。(酒飲みの言い訳)

ここ数年、年末にサイクリングで走ったときに見つけた酒蔵を訪れるようになりました。

「岡村酒造場」、兵庫県の三田市にある日本酒の酒蔵です。

三田と言えば、昔はよくテレビでコマーシャルが流れていた「三田スケート」が定番でしたが、30年ほど前からは兵庫県随一のニュータウンが広がった地域として知名度が上がりました。

今日ご紹介する岡村酒造場は、その三田スケートの看板が今も残る、昔ながらの田舎の風景の中にあります。

酒造場の藁葺き屋根の外観は、それを見に行くだけでも十分に価値があります。

その年に取れたお米で作られた新酒が、12月初旬から販売されます。

フランスのワインで小規模なワイナリーの場合、ぶどうを購入せずに所有する農地で栽培したぶどうを使って醸造する「ドメーヌ」と呼ばれる形態がありますが、岡村酒造場は自耕地で収穫した米だけを使って日本酒を醸造する、正に日本酒のドメーヌと呼ぶべき醸造所です。

12月から販売が開始されるのは、基本的に冷酒として供されるもので、熱処理や濾過をしないタイプの本醸造酒や純米酒です。

三田ゆかりの地名が冠された日本酒は、それぞれ素朴な味わいがあります。

酒飲みに嬉しいのは、瓶が通常の720mlではなく900mlあるということ。少し高めのアルコール度数と相まって飲みごたえがあります。

例年は2月ごろまで新酒の販売がありますが売り切れ御免。季節感満点です!

その年の出来事を大晦日に振り返りながら、あるいは元旦に新年の抱負を語りながら、新酒を味わうのは格別ではないでしょうか?

ふるさと納税の赤字

前回に引き続いてふるさと納税の話題です。

全国の自治体の25%が、ふるさと納税によって従来の住民税収入と比較して赤字になっているとのこと。

東京23区と指定市以外で赤字額が多かったのが、兵庫県西宮市、千葉県市川市、大阪府豊中市の順だったそうですから、人口が多い割には他の住民がふるさと納税したいような産物がない都市で赤字が膨らんでいるようです。

そもそもふるさと納税と言っておきながら、まったく故郷に関係なく好きな自治体に納税できるという全くもって意味がわからない制度ですから、人気がある返礼品を用意できるところと、そのような返礼品がないところで差が出るのは当然です。

その人の住民票が置かれたことがある地方自治体だけに寄付できるようにするのが、育った地域への還元の意味にふさわしいのでしょう。しかし、今の制度は納税というより寄付に近く、しかも返礼品目当てにまったく縁もゆかりもない地方に納税するという、よくわからない制度になっています。

結局儲かるのは、ふるさと納税のシステムを提供している企業だけといういつものパターン。

ただ、地方から都会に出た人が、出身地に恩返しするために納税するというのも、納税の趣旨からすると少し違うような気がします。

やはり、地方に移住したくなるような魅力的なまちづくりを、計画的に行っていくことが必要なのでしょうか?

ふるさと納税とフィッシングメール

今日メールが送られてきて、10月に応募したふるさと納税キャンペーンでポイントが付与されるとのこと。

ポイントを獲得するには、以下のURLにアクセスしてその指示に従えと言うではありませんか。

普通怪しいですよね。(そもそも国がやってるふるさと納税制度が怪しいですが。)

しかも指定されたURLにアクセスすると、すぐに”.jp”以外のURLをにリダイレクトされます。

ますます怪しい!

ドメインを検索すると正規に登録されているもののようですが、警告なしに訳の分からないURLをにリダイレクトされるので、80%はフィッシングメールだと思っていました。

最終的にメールの補足説明に従って操作したら、確かにポイントがゲットできたので怪しさ満点のわりには正規のメールだったようです。

最近ますますフィッシングメールが巧妙化していますので、年末はくれぐれもご注意ください。

正社員と非正規雇用労働者

あえて厚生労働省の表現を使って「非正規雇用労働者」と書いてみましたが、通称「非正規」、つまり有期雇用、パート雇用、派遣労働の総称として、ここでは「非正規」と表記します。

正社員と非正規のどちらが良いか?

労働者が分からみて正社員が良いのなら、経営者から見れば非正規の方が良くなる。だから、労働者は正社員になりたがって、経営者は正社員を切って非正規を雇いたがる。

正社員は福利厚生や退職金(福利厚生に含まれるが)があるために、安定していて定年後も安泰と思われていますが、それは優秀な人材を簡単に雇えない時代の話。

各企業では新しい技術がどんどん開発されていて、それに長ける人材は自社で教育しなければならなかった時代は過ぎ去って、今はスキルが陳腐化(恒久化)しています。

さらに大企業が必死で身を削るものですから、スキルフルな人材がそこら中に溢れています。

それならば、何も経験がない新人を教育して定年まで雇い続けるより、必要な業務に必要なスキルを携えた人材を臨機応変に雇い入れることは至極当然のことであります。

もし、正社員が一生定年まで就業を保証するものであるのなら、まったく時代錯誤の労働形態になってしまったと言えるでしょう。

ですからこれから日本の社会が目指すべきは、(当人的には)安定した正社員を増やすことではなく、必要なスキルを必要なときに供給する非正規だけで回していける体制ではないでしょうか?

本当の経営層だけが一生忠誠を誓う正社員であり、実務レベルはすべて非正規というのが正しい姿でしょう。

そうなれば同一労働同一賃金が実現できますし、生涯教育の必要性も当然になるでしょう。労働生産性も自ずと向上することでしょう。

さて問題は、この方針が企業経営者の短期的なコストカットの目的だけに使われないようにすることです。

政府が必要な施策をタイムリーに繰り出すことによって、日本に活力をもう一度取り戻したいものです。

電力は文明の証

大雪による停電の発生地域の方々には心からお見舞い申しあげます。

インフラの電気・ガス・水道は、そのどれかが欠けても生活に大きな支障をきたしますが、その中で電力は広域に渡って影響が出ます。

日本に限らずUSでも寒波によって大規模な停電が起こっているようですが、雪やアイスストームによって送電の鉄塔が倒壊すると、広い範囲で停電が続き復旧に時間がかかるため、州を越えて電力がある地域に移動して復旧を待つこともあるようです。

日本では、高品質で安定した電力供給によって工場生産を支えている側面がありましたが、近年の工場の海外流出によってあまり話題にならないようになりました。

10年ほど前にインドに行ったときに、ホテルの電気が頻繁に止まる事があり、不安定なネットワークも相まって、日本の電力インフラの優秀さを痛感したものです。

インフラはいったん普及した後も維持するためのメンテナンスが欠かせません。経済が好調なときはインフラの負担も苦になりませんが、経済が傾いてくるとインフラのメインテナンスが手薄になって生活に影響が出始めます。

東京都で新築住宅に太陽光発電を義務付けたそうですが、電力供給システムは数十年単位で計画しなければならないものです。

個人の住宅設備が、そのような大規模なシステムの一部を構成するだけの信頼性を長期に渡って保証することができるのでしょうか?

大雪や台風で住宅の太陽光発電が故障したときに、個人が修繕費を負担できないために電力システムが逼迫するような事態は避けたいものです。