なぜ海外でウォッシュレットが流行らないか?

少し前のニュースでは、インバウンドで日本に来た海外の人達が、口々に日本のウォシュレットは素晴らしいと言ったとか。

はたして本当でしょうか?

確かにそのように言った人はある程度はいるでしょうが、海外の人達が絶賛して是非自宅に導入しようと言うことになるかというと、そうはならないだろうと思います。

「個人の意見にはばらつきがあります」ということではなくて、日本人と海外、特に欧米人の便はおそらくかなり違うだろうと思います。

日本でウィッシュレットやシャワーレットの開発を行ったときに、本物の便をシミュレートするためにいろいろな材料で便の模型を作ったという逸話がありますが、それほど便の状態によって洗い流す手法が異なっているということでしょう。

さて、なぜ欧米人はウォシュレットのようなものが必要ないと考えるかというと、肉食・パン食の人種と、日本人のように米食の人種では便の固さが違います。

もし機会があれば、海外でトイレに行って現地の人が大便をするときの所要時間を計ってみてください。とても短いです。本当に! 一瞬です。

日本人みたいにトイレに籠もる人は皆無です。

狩猟民族はゆっくり野糞を垂れていると、ライオンかバッファローに襲われるのでゆっくりしている訳には参りません。その点日本人は農耕民族ですから、多少田鼠にかじられることはあっても、比較的ゆっくり用をたすことができます。これは冗談です。

そもそも腸の長さが狩猟民族と農耕民族ではかなりの差があるのではないかと思います。

最近になって日本人の食生活が欧米化して大腸がんが増えているという話がありますが、もし腸の長さが違っているとしたら、百年やそこらでは腸の長さは変わらないでしょう。

おそらく海外から日本に来てウォッシュレットがすばらしいと言う人達は、いつもトイレットペーパーだけでは物足りないと思っている人たちなのでしょう。

大概は日本には面白いものがあるという程度の土産話で終わってしまうような気がします。

ところで、水で洗うトイレと言えば思い出すのは1970年の大阪万博のガスパビリオンです。少しだけ話題になりましたが、ウォッシュレットもどきがパビリオン内のトイレにあったらしいのですが、当時はそのトイレ目指して日本人得意の行列はできなかったように思います。

農耕民族限定で海外展開をするというのはどうでしょうか?(って誰に提案しているの?)

サバイバルゲーム

昔在籍していた会社の教育の一つとして、グループで行う「サバイバルゲーム」なるものがありました。今で言うコンセンサス教育というものでしょうか。

砂漠でバスが故障して同乗した20人の乗客とともに、全員の生存のために残されたどのアイテムが必要かを、グループで討論して優先順位を付けるというものでした。

設定は以下のようなものでした。

  • 砂漠の真ん中で、最寄りの人が住む町までは100マイル以上ある。
  • 日射が厳しく、歩いての移動は体力の消耗が早い。
  • 全員行動を共にする助かる方法を考える。
  • 手元に残ったアイテムは以下のもの。
    • 地図
    • コンパス
    • ラジオ
    • 拳銃
    • ナイフ
    • マッチ
    • 手鏡
    • 懐中電灯
    • 飲料水と若干の食料

さて、社員は5人ぐらいのグループに分かれて、討論しながら何が重要なアイテムか選んでいくわけですが、ここで各人の個性が出て議論は粉砕するわけです。

概ね方法性は、地図とコンパスを使って町に出ようとするもの、拳銃を取って乗客のリーダーになろうとするもの、飲水と食料を食いつなぎながら拳銃とナイフで狩りをしようとするものなど。

で、例えば地図とコンパスがあるなら近くの町を目指すべきだと言う意見を出すと、

「いやいや、私の長年のオリエンテーリングの経験では、コンパスの誤差でたとえ0.5度方角がずれても町にはたどり着けないものだ。」

と言ってきたり、また、

「砂漠を歩くのは無理。40度を超える砂漠では歩くことは自殺行為だ。俺は一度やって死にかけた。」

なんて言うものもいる。

経験に基づく知恵が色々と出てくるわけです。他の素人は分からないなりに経験者の話には説得力がありますから、段々と方向性が定まってきます。

結局方針としては、「できるだけその場に留まって、助けが来るのを待つ」というのが正解なのですが、この結論は、NASAの経験と研究から導き出されたものらしいので、根拠もしっかりしています。

さて、一番優先順位が高いアイテムが何だったかというと、「手鏡」です。

日中の太陽光線を鏡で反射すると、たとえ地平線を飛んでいる飛行機からでも確認できるぐらい眩しいらしいです。飛行機の航路の真下でなくても有効ですし、ましてや遭難したことが分かっていれば、近くに飛行機で救助に来るでしょう。

ぜひ砂漠に行くときは手鏡を持って行きましょう。(って砂漠に行く予定はずっとない?)

手鏡を忘れたならスマートホンが代わりになります。砂漠で電波が届かないからと行って、やけになって砂の上に投げ捨てないでください。鏡として使いましょう。

なぜこの話を書いたかというと、今朝電車をホームで待っていると、前に並んだ人のスマートホンの反射が眩しくて絶えられなかったのです。

スマートホンを操作すると画面が揺れ動くので、ピカピカ、ビカビカ、頭がクラクラするほど強力な光線を浴びて、何十年も前の会社の研修を思い出したのでした。(もっと役に立つことを思い出せよ!)