ヘッドアップディスプレイは流行らない?

Yahooニュースに、自動車のフロントガラスに情報を映し出すヘッドアップディスプレイ(HUD)が、良い技術のわりに普及が進んでいないという記事が載っていました。

車速やカーナビの案内が、少ない視線変化で読み取ることができるので安全運転にもつながり普及が進むと考えられていたが、一部の高級車に採用されるにとどまっているということです。

記事では、視線変化は少ないが焦点を合わせる必要があり、それではこれまでのようにスピードメーターを見るのとあまり変わらず、また視野にチラチラ映像が映っていると、外の状況を見るのに邪魔になるということでした。

そもそもそれほど真剣に速度を気にして運転している几帳面な方は少ないでしょうし、カーナビのガイドにしても音声の指示に従っていれば表示はいらないですから、ちらつく表示への苛立ちが勝るということでしょうか。

いやしかし、普及が進まない原因は他にあると思います。

この装置には決定的な欠陥があります。高い割には見栄えがしない!

お金を出した割には「見栄が張れない」ということです。

大体、車というのは見栄が8割、実用2割といったところでしょうか。(当社推定値)

確かにヘッドアップディスプレイは、特殊はフロントガラスが必要だったり、光学的な工夫が必要だったりして高価になりがちですが、その割に見た目の差が分からない。

しかも、同乗している人にも見えないですから、

「あらっ奥さん、オタクの車にはヘッドアップ付いてるのネェ! あらまステキ!」

とかいうリアクションがありません。

運転する本人に対するメリットがない上に見栄も張れないとなれば、コストを掛ける価値なしと思われても不思議ではありません。

もっと技術を磨いて、すべての情報をヘッドアップディスプレイだけに表示するようにして、スピードメーター類をなくしてしまうと同乗者も気づくでしょうか?

でも表示がちらつくのが嫌だと言うのですから、そもそも運転者はそんな情報を必要としていないのかもしれません。「スピード出しすぎ!」と音声で怒られるのも心地よいかもしれません。

いっそ、スピードメータ類を一切外した廉価版を出したら、物価高のご時世には受けるかもしれませんね。